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こういうのは普通男の人が後ろなんだろうが、友達同士でやることじゃないんだろうが、振った人がやることじゃないんだろうが、私は抱きしめた。力いっぱい抱きしめた。慰めたかった。
「私が……振った私がこんなことしちゃおかしいんだろうけど、やらせてね」
「これもやりたいことだからか?」
「そうだよ」
「そっか」
南雲くんは声を出す。大きな声ではない。咽び泣いているのだ。震える体を力の限り抱きしめる。
暖かい。温かい。
私がずっとほしかったものだった。この温もりがどうしようもなく嬉しかった。
「辛かったね……」
振った本人が友人として慰めるなんてやっぱりおかしいけれど、この瞬間は今までで一番充実していた。
私たちの後日談はこれで終わりではない。もう少しだけ続く。後日談第一幕がおわっただけだ。だが、安心してほしい。後日談は二幕で終わる。ちゃんと終わる。
私にはまだ解決しなければいけない事案が残っていた。本来ならもう少し早く聞いてもよかったのだが、どうも忘れていた。ちょうどこのタイミングで思い出しただけの話だ。
「どうして私のこと委員長って呼ぶの?」
「ん?」
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