まっすぐな道で、あなたを

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「流産なんて、別に普通にあることだよ。病院でもそう言われたでしょ? タバコもやめてなかったし……」 「だって、3回連続だぞ? さすがに、……気味悪いんだよ……」 「こんなとこにいることの方が気味悪いよ! 花置いたんなら、もう行こうよ!」 「なぁ香苗、頼むよ。あそこで一緒に手ぇ合わせて謝ろう? あいつ、優しい子だったから、きっとそれで許してくれるって」 「その優しい子を弄んだのはあんたでしょ! あたしは関係ない!」 「ふざけんなよっ! お前がそうしろって言ったから、俺……っ!」 「はぁ? あたしのせいにする気? 信じらんない! あんたが下手なバイクで調子に乗って、事故おこしたりするから悪いんでしょ? 一応彼氏だって周りに言ってたあんたが、他の女後ろに乗せて事故にあったとかさ、あたしのメンツ考えたことあるわけ?」  香苗は早口でまくし立てた後、タバコの煙を吐くように口を曲げて息をついた。 「だいたいあたしは莉子のこと、抱けとまでは言わなかったと思うけど?!」
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