第三章 王国の人々

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033. 魔装の盾  墓地には数人の警邏官がいるだけで、ギルド職員の姿は見当たらない。  保護された少女は、一度家に帰され、明日改めて事情を聴取される予定だ。 「ヤースすらいないな。ギルドの連中は?」 「はっ、すぐ戻ると。深刻な様子で、腕のいい床屋を探していました」  現場を預かる警邏官に礼を言い、蒼一たちは再び地下へ潜る。  二回目の勇者の間は、メモを取りながら進んだため、一度目よりも抜けるのに時間が掛かった。 「二番目は魔物を火炙りにしてる」 「尻尾がフサフサしてるから、イヌジンですね」  十番目の部屋を抜けると、蒼一は首をゴリゴリ回した。 「書き物は肩が凝るわ」 「十番目は魔物の種類が勢揃いしてましたもんね。人形さんもいたし」 「昔の話だろうに、当時の方が文明が発展してたように見えるな」  魔傀儡たちの大空間から、遺跡の門へ。通り抜け方は知っているため、立ち止まること無く、第一問の間へと到達する。 「ムカつくから、不正解は潰しとこう。研磨っ!」  イモジンの壁画が、単なる平坦な壁に均される。  イノジンの扉の先には、蒼一の予想通り第二問が待っていた。メモを見ながら、彼は答えを先に口にする。     
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