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「二つ目はイヌジンだ。えーっと、正解は……あれ?」
「左右どっちもイヌジンだよ」
同じに見える二つの絵の違いは、雪が指摘してくれた。
「犬の表情が違います。右は悲愴な顔、左は怒り狂う顔」
「細けえなあ! そこまでメモってねえぞ」
「私は覚えてるから大丈夫。正しいのは、哀しみのイヌジンです」
一問目でも最初から女神は正解していた。蒼一たちは逆らわず、素直に右を選ぶ。
三問目からは部屋の順序もランダムになり、難易度が上がった。
「ああ、これは七番目の部屋だ。メモにある。蛇が十二匹が正解」
数合わせだと、彼のメモが真価を発揮する。
記憶力のいい雪に、観察眼の鋭いメイリ。バランスのいい三人は、どんどんと奥へ歩を進めた。
「おちょくられてるイガジンは七匹」
「左ですねえ」
「カエルが口から出してるのは、舌じゃなくて内臓」
「右だな」
「分かった、右のクラーケン、脚が一本少ない!」
「よう気づくわ。この世界のイカは脚が十八本もあるんだ」
最終十番目の部屋は、例題と同じ順序に戻り、勇者が倒した魔王の上に立つ構図の絵だ。
多数の魔物の屍が、その主人公の周りに描かれている。
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