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「そうデス。“魔力遮断”に“絶対防御”、勇者様の能力でワタシを御活用クダサイ」
――ああ、いや、そういうスキルは残ってないと思う。盾でしばくのは有ったはず。
盾のままロウを持ち、三人は転移の魔法陣を覗きこんだ。
中央には起動物のマークとして、単なる四角形が描かれている。
「盾だな。今回は、俺が発動担当みたいだ」
蒼一が最初に陣に乗り、光に包まれるのを見て、雪たちも後を追った。
本日二回目の生首の狂騒の中、彼らは地上に帰還する。
「ロウ、盾でも喋れるか?」
「ハイ」
「凄いだろ、五百年後は。これが勇者の守った世界だ」
「魔物の群れかと思いマシタ……」
ハルサキムの街路には、夕陽が人々の長い影を作っていた。
勇者とその仲間は、ギルドへの報告のために墓地へ向かう。
五百年前には無かった新しいヘアスタイルの流行にも、ロウは驚いたようだった。
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