とりかえ長男
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身重の曾祖母が日々近道だろうと羅城門跡を通り抜けていたことが見咎められた。曾祖母は嫁いできたばかりで当家の習わしを知らなかったのだ。生まれた子には、家系のなかで早死にした子の名をあえてつけ、ついですぐに春子さんの祖父となる男児を成し、「一」のつく名を与えた。こうすれば先に生まれた子にかわって「一」のつく子が実質長男になる。これを「とりかえ長男」というのだそうだ。
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