1.出会い

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何時も通り、勤務が終わる時間にお迎えにきた母親は、赤ちゃんの様子に驚いていた。 何度も電話をかけたことを知らせると、平謝りして病院に連れて行くと慌てている。 ママにも、休息は必要だと思っている。だけど、赤ちゃんの容体はすぐに変化するから、連絡だけはいつでも取れるようにして欲しい。 そう、母親にお願いをした。 私の勤務時間は、二時間近く超過していて、 ライブは始まっている時間だった。 子ども達の汗と涙、鼻水で汚れたエプロンと服を脱ぎ、 服を着替えると、「お先に失礼します」と挨拶を急いで済ませて、保育園をでた。 間に合ってほしいな。 だけど、雪道だから、車の進みも悪かった。 早く行きたいって思いながら、 恨めしく雪を見ていた。
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