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兄夫婦も微笑ましそうに眺めるだけで、注意するようなこともしなかったため、加藤さんもそのまま遊ばせておけば良いかと、それ以上気にかけたりもしなかった。
やがてバーベキューの準備が整いそろそろ食べようかとなった頃、兄が息子の姿が見えなくなっていることに気がついた。
大学生グループの元へ行っているのかと様子を窺うも、姿はない。
不思議に思い確認へ行き声をかけると、そのグループは大学サークルの集まりで子連れは参加していないという。
おかしい。全員がそう思い、大学生たちにも協力してもらいながら甥っ子を探すと、やがて少し下流の方で何故か顔だけを川の中へ沈めて死んでいる甥っ子の姿が発見された。
それはまるで、誰かに押さえつけられ、無理矢理顔だけを沈められて殺されたような、おかしな死に方をしていた。
一緒にいたはずの謎の子供はどこにもおらず、結局最後まで見つかることはなかった。
更におかしなことに、その謎の子供がどんな容姿をしていたのか、あの場にいた全員がはっきりと思い出すことができなくなっていたという。
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