十二番目の志士1

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物事をやる時にはもつとしっかり励むのだ、中半端はいかんというと、恐れ入りました明日からは今の言葉を肝に銘じて励みますというので、今日からだろうというと、すみ、 ませんと頭を下げたのです、いいか長崎屋でイギリス語から日本語、オランダ語から日本語に翻訳する辞書を売っているので買い求め、試しに何かの書物を翻訳してみろ、 そうすれば色んな事が学べて楽しいぞ、 またそれを藩にもって帰って広く教えるのだというと、それは随分高いものですかと聞くのでお前達が女郎屋に行くのを二三かい我慢すれば帰る値段だよ、高杉新之助に紹介、 してもらったと言えば安くしてくれるかもしれない、金がなければみんなで出しあって一冊もとめ、日本人の欲しがる外国の書物を翻訳して売れば金も手にはいるだろう、 何の投資もしないで儲かるはずがないと笑うと、成る程そうすれば外国の知識も手に入り、一石二丁ですねというので、もう少し頭を使うのだよ、そうしないと脳みそが、 とうふになってしまうぞと言ったのです、それでは理解できたところで乾杯だと盃を重ねたのです、5人が帰って行きまつたく困った連中だと言うと、マリアがお母様が、 言ったとおり、 新之助は強いのですねと酌をしたのです、あいつらが弱すぎるのさと盃を飲み干して、さあ行こうかとマリアと店を出て大浦屋に戻ったのです、薩摩の西郷さんから早飛脚が、     
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