十二番目の志士1

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一人の男がおいは誠忠組の中村半次郎じやと言うので、高杉新之助だお前達では俺には勝てない、怪我しないうちに帰るんだというと、刀を抜き上段に構えたのです示現流、 かといい、刀を抜き峰に構えるとバカにすっとなというのでそうだよというと、チェストと刀を振り下ろしたので、下から峰で思い切り振り上げると、ボキッと音がして、 半次郎の刀が真ん中から折れたのです、 ビックリしているのでふみ込んで刀を肩先めがけて振り下ろすと、みんなが袈裟がけに半次郎が切られたと目をつぶったのです、新之助は肩先でピタッと止めこれまでだな、 といい、他の者もかかつてくるかと言うと、しり込みしています、半次郎がそこに座りさあ殺せと言っているので、お前がこの中で一番腕が立つのか、それで他の者はかか、 つて来ないのだなと笑い、 さあ立つのだ、中々の腕だがそのなまくらの刀では無理だ、この刀は備前兼光で斉彬公から拝領したものだ、お前達と刀会わせしただけでお前達の刀は折れるぞ、腕より、 刀に負けたのだよといい、みんなが殿様の知り合いとは知らず申し訳ありませんと地べたに座り平伏するので、さあ立つのだといい店に入らせ座らせたのです、 女中に酒をついでやれというと、5人に酒を注いだので盃を重ねたのです、随分威勢がいい連中だが、誠忠組とは何をするのだと聞くと、この国を毛唐から守るでごわすと、     
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