十二番目の志士1

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言うので、どうやつてと聞くと、もちろんこの刀ごわんそと言うので、そんな刀ではやつらの鉄砲と大砲の餌食になるだけだよ、なぜ敵より優れた鉄砲と大砲を作り戦おう、 としないのだと言い、 薩摩の鉄砲は有効射程50間だ奴らの鉄砲は100間が有効射程だ、大砲は奴らの3分の2しか届かないのだぞ、そんな連中と戦争をして、チエストと言って突撃してもみんな鉄砲、 と大砲の餌食だ、さつきの幾ら腕が良くても業物をもった奴には叶わない事がわかっただろうというと、どげんすれば勝てるのでごわんそかと聞くので、それは簡単だ奴らの、 持つている、 鉄砲、大砲より遠くに玉の飛ぶ物を作るのさというと、どげんすれば作れっとごわんそかいと言うので、火薬の量を増やせばいいのさ、しかし今の鉄砲と大砲では銃身が破裂、 するので火薬の量は増やせない、反射炉というカマドをつくり、砂鉄ではなく鉄鉱石を溶かして銃身をつくれば強い鉄の銃身ができるんだよと話したのです、これは西洋の、 書物には書いてある、 お前達もまず外国を見習って勉強し奴らよりもいい物を作る努力をしろ、それから戦うんだよ、勢いだけで戦いに勝てるわけが無いだろうと言ったのです、誰かが知らせた、 らしく、西郷が店に入って来て、この人は斉彬公の大切な人じゃあ無礼があれば切腹じゃっと、といい、新之助殿すみませんごわしたと言うので、まあ座ってくださいと、     
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