十二番目の志士1

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あの中村半次郎というものは、薩摩藩でも1、2の示現流の使い手なんですよ、新之助様はお強いのですねと言うので、この刀が強いのさと笑ったのです、よく言って聞かせ、 たから、もうバカな事はしないだろうといい、あの勢いを勉学にむければ薩摩もぐ~んと良くなるのだがと酒を飲み干したのです、 あの薩摩の暴れん坊達がうなだれて新之助様の後を居酒屋に入ったのを見てみんな笑っていましたよ、西郷様でも手をもてあましている連中なんですよ、それを一撃で猫み、 たいにおとなしくさせるなんてとすご~い、私も真一朗様みたいな旦那様が欲しいですと言うので、それは光栄だお節殿みたいな美人に好かれるとはと言うと、嬉しいです、 いつでもお手をつけてくださいと酌をしたのです、 今日あったばかりで手をつける訳には行かないだろうというと、いいえ、いる間だけでも構いませんというので、それもお節の役目の一つなのと聞くと、そうはおおせつか、 っていませんが、これは私の思いですと言うので、盃を渡し酌をして長逗留だからその内に手をつけるかと笑うと、きっとですよと酒を飲み干したのです、
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