十二番目の志士1

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十二番番目の志士29 ところで白波屋は薩摩藩御用達と聞くが何を運んでいるのだというと、砂糖、陶磁器、薩摩切子、イモで御座います、特に砂糖は大阪、江戸では高値で取引されているのです、 ご存知のとおり白州台地の薩摩では米があまり収穫できません、取れるのは都城か肥後に近い領地のみでございます、薩摩様は表向き77万石と言われていますが、実収は30万、 石にも満たないのです、 77万石の格式により武士もそれなりの数がいなければなりません、その為微禄の武士が多くあの西郷様でもわずか30石しかないのです、このため先代の時に何百万両の借財を、 かかえどうする事も出来なくなったのです、そこで先代は西郷様と同じ微禄の調所笑左衛門様を抜擢して改革にあたらせたのです、笑左衛門様は砂糖を専売品とし、薩摩焼等、 の殖産を奨励したのです、 そんな物では到底返済できないので、借金をしている商人に証文を書換えるとして一旦返済させ、後日呼び出して250年月賦で返済すると言ったのです、承知しないなら証文、     
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