十二番目の志士1

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は渡さないと言ったのですが、今までも全然返済されていないので、もらえるほうがいいと皆が承知したのです、借財の利子だけでも薩摩藩の年収の80倍はかかり到底返済、 できるものでは有りません、 これで借金がなくなったのも同じになったのです、我が家の先代も同じ目にあったのですよと言い、お殿様から西郷様に新之助様には知っている事をすべて話すようにおいい、 つけになったそうなのです、西郷様は薩摩の恥部を自分の口から言えないので私に話してくれるよう言われたので、お話申しますと薩摩の裏事情を話し始めたのです、 実は薩摩は昔から琉球をかいして密貿易をやつているのです、今回借財を踏み倒した大口の商人に密貿易にかからわせてその利財で返済する事にしたのです、そのお陰で莫大、 な利益が出て今では300万両からの藩のたくわえがあるのです、先代が中々斉彬様に家督をゆずらなかったのは、聡明な斉彬様が家督を継ぐと又莫大な借財を背負う事を恐れ、 為だそうです、 そこで弟である久光様に家督を譲ろうとしたのだそうです、これにきずいた斉彬様は幕府老中首座阿部様と相談して、先代が隠居して斉彬様に家督を譲らないと、薩摩藩は、 大変な事になると阿部様が言い含め斉彬様に家督を譲らせたそうなのですと話したのです、これは西郷様が斉彬様から新之助に話すように申されたのだそうです、こんな、     
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