十二番目の志士1

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お家の事情を話しても良いのでしょうかと聞くので、 私しに何もかも話したのだから、斉彬公に協力しないとこの首が飛ぶという事ですよ、一方それだけの事を打ち明けるのだから私を信頼しているとも受け取れるのですがと、 いい、白波屋も一連托生というわけですよと盃をかさねたのです、白波屋がこの身代は薩摩様のお陰で築いたのです、薩摩様と心中するなら申し分ありませんと笑ったの、 です、 これでお節も一連托生だなと言うと、新之助に酌をして新之助様とお父様を守る為には何でもしますよと言ったので、それは頼もしい、だが心配しなくてもいいよ、反射炉、 さえ上手くいけば、どこにも負けない大砲、鉄砲等の鉄製品を作る事ができる、そうなれば幕府といえども簡単には薩摩に手はだせないさ、今は鎖国で海外との交易は禁止、 されているが、 もうすぐペリーが再びやってくれば幕府は開港せざるをえないだろう、そうすれば密貿易ではなくなるよというと、そうなれば家業も繁盛する事でしょう、我が家も蒸気船、 を取り入れて幅広く海運業をやりましょうと嬉しそうです、ところで白波屋には跡取りはいないのかと聞くと、幸吉という息子がいまして、修行に出しています、今長崎の、 大浦屋で船頭をやっていますよ、     
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