十二番目の志士1

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今回薩摩に乗ってこられた大浦屋の船の船頭ですというので、おうあの幸吉は白波屋の息子かなかなか気骨のある若者ではないかと言うと、もうそろそろ船を上がってくる、 でしょう、明日には薩摩切子を積み込んで、長崎から大阪、江戸へ荷を運ぶそうですというので、上がったらこの席によんでくれと言ったのです、 しかしこのクエと言う魚は美味いのうというと、薩摩でもめったに上がらないのですよ、新之助様は誠に運のいいお方ですと白波屋が言ったのです、船頭の幸吉が入って来た、 ので膳をもう一つというと、女中が用意したのです、お前はここの跡取り息子と聞いたぞ、まあ一献というと、もったいない事ですと酌を受け飲み干し返杯したのです、 町の者から昨日の新之助様の活躍を聞きました、薩摩隼人もビックリした事でしょう、私も神戸の伝習所で学びたいですが町人では無理ですよねというので、そんな事はない、 龍馬に頼んでやろう、斉彬公に頼んで五代の姓を名乗る事を許してもらい、五代幸吉と名乗り蒸気船の構造、運航の仕方、砲術を学ぶといいというと、畳に3人が頭をつけ、 ありがとう御座いますと言ったのです、 将来は家業を継ぎ蒸気船で外国と幅広く商いをするのだと言うと、幸吉がうれしゅう御座いますと涙を流すので、これ、これ武士は泣いてはいかんと新之助が酌をしたのです、     
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