十二番目の志士1

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お節が新之助様は女子だけではなく、全ての男もこましてしまうのですねというので、それが我が家の家風なのだと笑ったのです、幸吉が私は明日早く出帆しますので失礼し、 ます、ごゆつくりなさいませと部屋を出て行ったのです、 節がお父様幸吉が伝習所を出て一人前になるまで頑張って下さいと酌をすると、まかしておいてくれ、まだまだ若いもんには負けないよといい、新之助様が薩摩にいる間は、 しつかり、お世話するのだぞと言ったのです、今日はここにお泊りくだされ、宿の方には使いをやらせますと言うので、そうさせてもらうか、それなら盛りあがろうという、 と、 番頭になにやら耳打ちしていましたが、暫くすると芸子が二人はいってきて今晩はボタンにさくらですと挨拶し、新之助と白波屋に酌をして、一指しといい、さくらが三味線、 を弾き、ボタンが踊ったのです、踊りが終ると3人が手を叩き、新之助が見事な舞いだといいボタンとさくらに酌をすると飲み干し返杯したのです、薩摩弁をお使いになら、 ないのですね、 薩摩の方ではないのですかとボタンが言うので、白波屋が薩摩の殿様の大事なお客様で高杉新之助様ですよというと、二人がお殿様のお客人ですかと平伏するので、まあ、     
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