十二番目の志士1

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も砲台をつくらねばならぬ、そこで大型の反射炉を早急に作る必要があるのだ、その奉行役を新之助に引き受けてもらいたいのだ、供のなかに峯五郎の配下も加えて薩摩に、 連れて来ている、経験している者達であるので役に立つだろう、鍛冶職人の棟梁又衛門に薩摩焼窯元の吉次郎には吉之助より話してある、ところで場所はどこが良いと思う、 かと聞くので、 昨日海より地形をつぶさに見ましたところ、別邸のある磯が宜しいかと思います、桟橋を作れば鉄鉱石、石炭を大量に運びこむ事ができますと答えると、そうか海からこの、 薩摩を見たのか、新之助と戦をすれば薩摩の負けだなと笑うので、殿様の反射炉建設の段取りは抜かりがありませぬというと、これは新之助が峰五郎に言うた事ではないか、 過日峯五郎を呼んで酒を飲んだおり、そう言っておったぞ、相当新之助に惚れているようだのおと言い、欲しいものがあれば何なりと言うがよいと言うので、ご帰国そうそう、 私みたいな者のお目通りなされましては、重役方の悋気を買いまする、この後重役方に労いの言葉をかけてくだされといい、願いは白波屋の幸吉に五代の姓を賜わりますよう、 お願いいたしますと言うと、 何の為だと聞くので、神戸の海軍伝習所で学ばせたいからで御座います、白波屋は薩摩藩の御用達で御座いますので、きっと殿様の役に立つことと思いますというと、あいか、     
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