十二番目の志士1

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見て、酌をするのはこびを売る事ではないと気がつきました、仲間になるための儀礼交なんですね、これからあっし達も薩摩者と仲間になりますと、お銚子をもって席を回、 ったので皆が恐縮したのです、 吉之助の元へ戻ると酌をしてひったまげもうした、あの棟梁同士が話しをするなんぞというので、そんなに仲が悪いのと聞くと、二人とも名人じゃてなあと言い、そいを、 お銚子一本で仲良くさせるとはといい、もつともおいどんは酒があまり強かではないので出来もうはんがと言ったのです、新之助は立ちあがり、下に降りて女将に芸子を、 人数分集められるかと聞くと、 全部で15人ですね、いや西郷様と新之助様を入れて17ですというので、薩摩の殿様の直々の頼みだと言って集めてくれ、勿論代金は弾むぞというと、お代はいいのです、 なんでも薩摩を日本一にする集まりと聞きました、17人どころか薩摩の芸者を全員連れてきましょうと引き受けたのです、
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