十二番目の志士1

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十二番番目の志士31 暫くすると17人の芸者が勢ぞろいしてボタン以下16名が皆様のお相手をいたしますと言うと、みんなが大喜びしたのです、吉之助が目を白黒しています、勘定は斉彬公から、 沢山褒美を貰っていますから心配しないで下さいというと、いや勘定は何とでもしますが、よくこんな人数をあつまったもんだとビックリしもうしたと言ったのです、 みんなが一人づづ傍についたので、改めて乾杯したのです、ボタンが新之助に付きさくらが吉之助に酌をしたので、よく短時間でこんなに集められたねというと、なんと、 言っても新之助様の頼みと聞いてボタン姉さんがあちこちの置屋に使いを走らせたのですよとさくらが言うので、それはかたじけないと盃を渡し注ぐと一気に飲み干し、 ほれたお方の為ならたとえ火の中水のなかですよ旦那と酌をしたのです、 それでは一指しといい5人が前に集り、薩摩を日本一にする皆様方の為に薩摩おごじよが一指し舞ますると、畳に手をついて、さくらの三味線で踊ったのです、さすが芸者で、     
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