十二番目の志士1

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女将蹴飛ばして申し訳なかと謝ると、もういいんですよと全員に酌をするので盃を重ねたのです、そんなにボタンが好きなのと聞くと、奉行が言い寄っているじやっとん、 てんで相手にしてくれもうはん、 今日は絶対と思ってきもしたら、私の席を断ったと言う事じやってどこだと聞いたら、この料理屋にいると聞き申し来たのでごわす、面目ありませんと言ったのです、奉行は、 ボタンをそばめにしたいのと聞くと、いや正室として向かえると話しをしいるので御座いもす、貴方には子供はいないのと聞くと、息子一人、娘一人がいますと言うので、 それがボタンがいい返事をしない理由ですよ、 武家の娘ならともかく、町屋の娘がれっきとした武家の奥さんの子供の母親になれるとは思わないでしょう、また嫁に入っても親戚一同からはいい目ではみられません、 そうなると子ども達が可愛そうだと思っているのですよ、そばめなら考えるかもしれませんなあと言ったのです、それでは女将ボタンをここに呼んでくれというとハイ、 と返事したのです、 心配しなくても先ほどの無粋な事はいいませんよと言ったのです、ボタンが入って来てあらこんな所にいらしたのですか、郡奉行さんとは知り合いなのと聞くので、まあな、     
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