十二番目の志士1

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と言うと何かはなしがあると女将が言っていましたがと聞くので、郡奉行との縁組だがというと、町娘がれっきとした武家の奥さんの子供のいるところにお嫁にいけるはず、 はありませんよ、 何処かお武家様と再婚なさった方がお子様達の為ですよ、お子さんが跡目をついだ後なら考えてもいいですが、そのころはおばあさんになっているので、お奉行が鼻にもかけ、 ないですよ、この話はこれきりにしてください、私は席にもどりますと部屋を出て行ったのです、残念だが聞いてのとおりだと言うと、わかりましたキッパリあきらめます、 というので、 それでは私もこれで、今回の事は他言無用ですよ、しかし女将が一部始終みていましたからねえというと、懐から25両だしてこれで勘弁してくれるよう頼んでくれませんか、 と言うので、わかりましたと受け取り部屋を出て女将の所へ行き、奉行の謝り料だというと、入りませんよというので、それでは二階の飲み代ではどうだというと、多すぎ、 ますよと言うので、 芸子達の花代を奮発して頂戴というと、分かりました、新之助様は商い上手ですね、薩摩にいる時はちょくちょく寄ってくださいと言うので、勿論女将の顔を見に来るよと、 言うと、嬉しい私も新之助様にほの字なんですよと笑ったのです、吉之助様にカツオの塩辛が好きと聞きました今持っていきますよと言ったのです、部屋に戻ると吉之助が、     
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