十二番目の志士1

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道中気をつけてください、彦根藩の井伊直弼が大奥とつるめばややこしい事になります、配下の橋本佐内は策士ですと言うと、ご忠告かたじけないといい帰って行ったのです、 さくらと連れだって料理屋を出て何処にいくのと聞くと、友達のやっている小料理屋があるの、美味しい物があるのよといい店に案内したのです、ノレンを潜るとあらさくら、 ちゃんいらっしゃい、 まあいい男を連れているではないの、女将の雪ですどうぞと席を勧めるので座ると、泡盛とあじのたたき、きびなごの薄作り、ふりのかぶと焼き、たかなの漬物と頼むと、 あれこんな物が好きだったっけと女将が聞くと、うちの旦那の好きなものですよというので、へえ、お武家様は光り物はあまり食べないけど、お好きなんですかと聞くので、 それが大好きなんだよと言うと、薩摩の方ではないですねと雪が聞くので、江戸から来たのよとさくらが言うと、そんな遠くからわざわざと驚いています、酒が来たので、 さくらと乾杯して一口飲むと、なんだこれはまるで支那の紹興酒みたいに強い酒だか美味いというと、さくらが新之助様を独り占め出来て嬉しいと上機嫌です、女将は、 一人身なのと聞くと、 ええ主人は板前だったんですが、博打にはまって身を崩しどこかに行ってしまったんですと言うので、それは悪い事を聞いた、子供さんはと聞くと5才の男の子がいます、     
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