第1章

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沖に向かったのです、春の海は穏やかでとても気持ちがよく暫くすると小吉がこの辺が潮目がいいみたいですよと言うので、釣竿を延ばし針を投げ入れたのです、小吉が、 新之助様の釣りは餌を使わないのでいつも驚いていますと言うので、 いかに魚を騙すかがおもしろいんだよと笑って、タバコをふかしていると竿がぐぐ~としなったので引き上げるとアジが3匹かかつています、大きめのあじです、あっと言う、 間に16ひきを釣り上げたのです、暫くすると当たりがなくなりどうやら回遊していったらしく今日はここには戻ってこないだろうと竿を上げたのです、小吉が相変わらず、 見事な腕ですというので、 お前の潮目を見る目がいいのさと笑ったのです、それからポイントを変え竿を入れるとカサゴが12匹、カレー13匹をつけ上げたのです、お昼になり弁当を食べようという、 と小吉がアジの叩きを作りこれをおかずに握り飯を食べたのです、飯が終ると小吉が竹筒に入れた日本酒を出し、アジの叩きをつまんで酒を飲んだのです、 それでは帰ろうというと小吉が船を漕ごうとして沖から向かってくる船を見てなんですかあの船は煙が出ていますが船火事ですかねと言うのでよく視ると煙突みたいな筒か、 から黒い煙を出して凄い早さで近づいて来たのです、黒い船でマストはありますが帆ははつていません、外に水車が取り付けてありそれが回って進んでいるのです、 驚いていると船が停止して甲板から大勢の人が下を見ていたのです、日本人ではありません、オランダ人かと思っていると一人の男がかたことの日本語でアメリカの船だ、 といい、外に突き出ててる大砲から轟音がして火を吹いたのです、小吉が逃げましょうというので、無駄だよ奴らは鉄砲をもっている、逃げようとすれば撃ち殺されるよ、 暫くじっとしていようと言ったのです、11発の大砲を撃つと縄はしごが下ろされ登るように言うので、二人は船をはしごの下に繋いで、登り甲板におりると黒いひげを、 はやした男が手をだしたのです、しらん顔していると、傍にいた男が手を握るのが我々の挨拶なのだと言うので、手を握ったのです、手を放して何かを言ったのです、 お前達はこの江戸のものかと言うので、そうだと答えると役人に知らせてくれと言い、我々は危害を加える為に来たのではないと言ったのです、わたしはアメリカのペリー、
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