十二番目の志士1

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これよりも前に頻繁に日本近海に外国船がおとずれる事が起きていたのだが、蒸気船は初めての来航であった、幕閣はただおろおろするばかりで有効な意見も出なかったの、 です、安部正弘は広く国内に意見を求める事にし、武士、町人といわず意見のある者は届けるようにしたのです、今まで政治に参加する事を許されていなかった外様大名は、 喜んだのです、 しかし広く世の中にペリー来航が知れ渡り、攘夷論が国内で段々高まり外国を追い払う力のない幕府の権威は地に落ち国内が騒然とした騒ぎになっていったのです、外国の、 知識を得る為に、漁船が難破してアメリカの捕鯨船に助けられてアメリカで生活していて日本に戻って来ていた、土佐の漁師万次郎を江戸に召還し旗本待遇として話しを聞、 く事にしたのです、 そんなある日千葉道場に顔を出すと、同門の坂本龍馬が新之助黒船に乗ったそうではないか、その時の状況を教えてくれというので、稽古が終ったら何処かで話そうといい、 承諾したのです、門人に稽古をつけると一人の見慣れない男が座っており、一手ご指南をと立ちあがり、旗本佐々木源蔵で御座るといったのです、竹刀を中段に構えると、 中々の腕の持ち主のようです、 打ち合うも中々決まらず、これまでで御座ると声をかけ竹刀を仕舞い一礼して防具を脱いだのです、相当の腕の持ち主と見ましたがどちらで目録をと尋ねると神保町の戸田、     
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