十二番目の志士1

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道場で御座る、高名な千葉道場の教授を受けたく定吉先生に頼んで出稽古に来たしだいです、噂にたがわず新之助殿の腕は中々のもんです、あのまま続ければ簡単に捻られ、 た事でしたと笑ったのです、 井戸水で汗を拭いて定吉の部屋に行くと娘の糸がお茶を差し出し、相変わらずいい腕だと定吉がいい、ところで今後わが国はどうすれば良いと思うかと聞くので250年も鎖国、 をしてわが国は随分外国と色んな事で差がついております、まずは開国して外国の知識を学びそれに勝物を作り、外国と張り合うしかありませんと言うと、剣では無理かな、 と聞くので、 一対一なら剣は威力がありますが、集団で戦うとなるとそうは行きません、かの宮本武蔵のような剣の達人でも関が原の戦いでは何の役にもたたなかったといっておりますと、 答えると、新之助そのような事を他人に言ってはならない、言えば国賊として危害を加えられる恐れがある、お前みたいに素直に事実を認めるものは少なかろうといったの、 です、 新之助があの船を見てこれからはエゲレス、メリケンが力を持ってくるでしょう、何としてもオランダ語ではなくエゲレス語を覚える事が大事だと思いますというと、定吉が、 それなら、土佐藩から中浜万次郎と言う者が旗本として幕府に召抱えられたそうだ、漁船が難破してアメリカの捕鯨船に助けられメリケンで長らく生活しており、エゲレス語、     
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