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しばらく二人で黙ってカタツムリを見ていると、高田くんが突然ぽつりと言った。
「あの、さ。学校……来ないの?」
私の体はぎくりと強張る。一旦溶けたはずの緊張が、一瞬で戻ってきた。
高田くんがカタツムリから私に目を移した。
「……僕のせいなんだろ、学校来なくなったの。あの時、僕が『気持ち悪い』なんて言ったから」
力なくしぼんでいく高田くんの言葉。
私はその日のことを鮮明に思い出し、ぎゅっと下唇を噛んだ。
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