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天使は
今とても後悔している。
自分は人に能力を分け与える天使として、大変な失態を犯したのかもしれない。
規則にはなるべく平等に分け与え、それ以外は運命に任せる、と決まっている。
そう、我々天使達が決めるのは人の基本となる能力だけなのだ。
それ以外は勝手に身につき、ある人は他人から学び、ある人は自分で習得する。
そうやって人間は出来ている。
だがやってしまった。
人よりも頭脳が劣る、筋力がなく運動能力が劣る。
そんな人が自分の担当した人間から出てしまったのだ。
自分は降格が嫌なのではない。
彼に申し訳ないのだ。
今目の前に出てでも謝りたい。
死ねと言われたら、その通り死ぬ。
だけど人に知られてはいけないから、謝ることも出来ない。
もどかしい…
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