天使は

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ

天使は

今とても後悔している。 自分は人に能力を分け与える天使として、大変な失態を犯したのかもしれない。 規則にはなるべく平等に分け与え、それ以外は運命に任せる、と決まっている。 そう、我々天使達が決めるのは人の基本となる能力だけなのだ。 それ以外は勝手に身につき、ある人は他人から学び、ある人は自分で習得する。 そうやって人間は出来ている。 だがやってしまった。 人よりも頭脳が劣る、筋力がなく運動能力が劣る。 そんな人が自分の担当した人間から出てしまったのだ。 自分は降格が嫌なのではない。 彼に申し訳ないのだ。 今目の前に出てでも謝りたい。 死ねと言われたら、その通り死ぬ。 だけど人に知られてはいけないから、謝ることも出来ない。 もどかしい…
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!