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「俺、あんたに頼られるように頑張るからさ、高校卒業するまで待ってて。働いて金稼いでから・・・あんたと同棲しようと考えてるから」
そう言って前屈みになりベンチに座る彼女にキスをする。軽く唇にふれた程度で1度はお互いに顔を離したが、彼の方からもう一度顔を近づけて今度は深く口付ける。お互いを求め合うように口付けはどんどん扇状的になっていく。
2人だけの甘く濃密な空間がそこに生まれていた。
そんな光景を目の当たりにした私は、その場で呆然と立ち尽くすしかなかった。
私の机の上には何も書かれていない真っ白な便箋が1つ。
1度も使われることなく引き出しに仕舞われる運命となってしまった。
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