「俺への当てつけ?」

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赤い顔を店長に見られたくなくて「あ、見えましたよ」なんて目の前に見えたピンク色に輝く建物を指さした。 途端、佐倉さんの顔が思わずチラついた。今日は来ているだろうか。よくよく考えてみれば森坂店長と一緒に会うのはどうなんだろう。 仮にも彼は私を好きだと言ってくれていて、私は森坂店長が好きだった……いや、悲しくもまだ好きなわけで……。 そんな葛藤などお構いなしで到着してしまった綺麗な建物。足を進めていれば当然のことなのだけれど。 「なんか、キラキラで入り辛いな……」 「大丈夫ですよ。そんなに多くはないですけど男性の方もひとりで来てる人もいますし」 「そうなのか?」 「はい。多分店長みたいに、彼女さんや奥さんへのプレゼントを選びに来てるんだと思います。SAKURAの商品はプレゼントで喜ばれるって有名なので」 入り口で足を止めた店長。そんな話をしていれば私たちの隣からひとりで店に入っていった男性のお客さんがいて思わずふたりで笑ってしまった。 「本当だ」 「はい」 躊躇っていた足を進めて店に入っていく森坂店長。佐倉さんは社長だ。そんなに店頭にいることもないだろうと根拠のない自身を持って私は店長の背中を追った。 この前、香澄と来たときよりもやはりお客さんは少なくて、今日はゆっくり商品を選べそうだ。
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