「僕、諦め悪いので」

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女の子だと思っていたさくらちゃんが佐倉さん……。 “初恋の相手、間違えるわけないだろ” さくらちゃんの初恋が私だったことも正直驚いている。 「でもなんで佐倉さんはいまさら、しかもテレビでこの話をするの?」 香澄のそのひと言に同感。なんで?直接聞いても全く教えてくれなかったのに……。 なんでなんて、私の疑問なんて当たり前にそっちのけでテレビの中の佐倉さんは私との思い出を語っていく。 《わー、とても素敵で可愛らしいエピソードですね!》 《小さい頃の好きって、そうやって始まることが多いじゃないですか?笑ってくれたとか、優しくしてくれたとか、》 《はじまりも素敵ですし、いまでも思っているのがまた素敵なのですが、大人になるまでになにか進展はなかったのですか?》 《僕の父が仕事の関係でとても転勤が多くて、1年もしないうちに、また引っ越すことになってしまって》 《ということはその子とお別れですか……?》 《そうなんです。でも本当に好きだったので子供ながらに約束を交わしたんですよ。それもだいぶ一方的で、彼女が覚えていなくても仕方ないのですが、》 《すごく気になります!》 《大人になったら迎えに行く。その時に彼女の名前の花をプレゼントすると約束したんです。それが今回のSAKURAの新商品になります》 《このお話がまさか新商品に繋がっているんですね!》 私の中にある記憶と、はじめて聞く彼の思いが絡み合う。 さくらちゃんが転校してしまうと親から聞かされた。でもその時の私は転校の意味もよく分かっていなくて、いつものように、さくらちゃんの家で一緒に遊んでいた。
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