0人が本棚に入れています
本棚に追加
城塞の奥に逃げた少年と少女を追って、私はゆっくりと歩いている。
彼らはすばしっこいが、大人の体力には勝てまい。
「どうした、どこにいこうとしている!」
城塞の広間に響く声で脅しをかけるが、彼らは逃げ続ける。
カツコツ、カツコツ……
わざと足音を立てて、彼らの距離を狭めていく。
逃げる場所などない。
私はこの城塞の隅々まで頭に入っているのだ。
そうだ、いいぞ。そっちは行き止まりだ。
「はは!鬼ごっこは終わりだ」
バン!
私は銃を撃った。少女の左の三つ編みが飛んだ。
バン!
もう一発。今度は右の三つ編みが飛んだ。
「次は耳だ!……無駄な抵抗はやめて、その少女と石を私に渡せ!それとも、その大砲で私とやりあうか?」
睨んでくる少年に銃を向ける。
《くそ!弾がないか》
私は余裕の表情で銃を上に上げた。
「3分待ってやる。その間にどうするか決めてくれ」
少年と少女が小声で相談を始めた。
《ふん。無駄だ。お前は私に少女と石を渡すんだ。一度は金貨三枚であきらめたお前だからな。死ぬ気で少女を守りはしないだろう。》
《さてと……》
私は銃の弾を込めながら考えた。
《この空中城塞のコントロール室は植物だらけ
最初のコメントを投稿しよう!