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「……そして、まだ日も昇らない暗いうちじゃったかの。最初は少し離れた所から、何回かに分けて山が崩れ始めたようでの。ちょうどココに神社。わしの寝床があるのを覚えとったんじゃろうな。宙の舞い方も不慣れなはずなのに、ヨロヨロこっちへ飛んできよって。それが有ったから、この神社だけは守りきれたという訳でもあるんじゃがの。」
「ちょっと待った。アイツ……ミチルの遺体は? その話だと、遺体はまだ土の中って事にならないか? この骨は別な誰か……? もしくは動物か何かの……?」
「お主……それをよく持っていられるな……。しかもそんなところに……。」
「……何であんたが恥ずかしがるん?」
「……ともかく続きじゃ。救助隊が、雨が上がるのを待っている間に、結局遺体は流れてもうての。もう駄目だろう、生きとらんだろうとは、誰もが思うとったじゃろうな。3日位は探したかの? 川の流れで土が削れたところから、少しずつ土の中から浮かび上がって来ていたようでな。ちゃんと見つけ出されて、最期はきれいに化粧もされて、いい顔をあして、棺桶に収まっとったようじゃしの。」
「親父さんが直接、アイツに手を掛けたのではなかったのか……。ありがとう、分わかったよ。コレでやっと、気になってる部分が解けた気がする。……それにしても、”山が崩れたのを知らせに来てくれた”なんて言ってた割には、事細かによく知ってましたね。」
「え、あぁ……そ、そりゃぁな?! さっきも言ったとおり、神様として知っておかんと困ることもあるし、アヤツとは寝床も隣同士同然と言うか……まぁよく喋るからのぅ……?」
「いや、神と仏って基本的に別物なんじゃ……? 俺もそこまで詳しくないけれど……。」
「確かに人間から見れば別扱いが多いかもしれんが、雲の上では割と一緒くたでな。よく遊びにも来てくれるし、お主のことも話してくれとるぞ。最近もそうじゃ、お主との惚気けた話も聞かせてくれるし、こないだなんかは床の間での話も……」
「うをぉっと! ソレ以上はちょっと黙っておこうか。今はR18カテで書いてるわけじゃないし」
「うんぐっ……! ……ふう。これ! いきなり口を塞ぐでない……! 死ぬかと思ったわ……! って、わしゃもう死んでるのか。こほん。あぁ、確かにソレもそうじゃのう。……お主ら、ほんとうに仲が良かったんじゃのう。」
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