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庭園に沈黙が走った。
その次には、一斉に生徒たちがどよめく。
中には、悲鳴をあげる者もいた。
その中の一人が、ドロシーだ。
「はぁああ! な、な、何言ってんだ! ふざけんな!」
「おやおや、女の子がそんな口のきき方をしてはいけないよ。君はオズの花嫁になるんだから、これからは学園の女生徒たちの憧れる、素敵なレディにならなくてはね」
「む、虫唾の走ることを言うな! この、脳みそ花満開男!」
「花満開……素敵じゃないか。脳髄までもが花のように美しいと褒めているんだな!」
あはは、と笑いながらウィリアムはプラチナブロンドを掻き上げた。
「ふざけんな、私は白のオズだろうとお遊びに付き合ってるような時間はないんだよ。アンタのせいで、銀貨をまた集めないとなんないからな。――じゃあな」
付き合ってられない、とドロシーは踵を返した。
「そうはいかないよ――お前たち」
パチン、とウィリアムは指をならす。
「――御呼びですか、ウィリアム様」
突然、ドロシーの目の前に三人の男子生徒が現れた。
何もない所から急に出てきた男子生徒たちに、ドロシーは悲鳴をあげそうになる。
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