第一章・白のオズは花嫁を迎える

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「アンタら、どっから出てきた!」 「なんですか、この小うるさい女生徒は。――人を指さすのはおよしなさい」 叫びながら指さしたドロシーを、一番手前にいた男子生徒が横目で見やる。 「俺の花嫁だ。言っただろう、そろそろ花嫁をロッジに迎えるってね」 「ああ、そういえばそんなことを言ってましたね。あれ、本気だったんですか。てっきり、いつもの戯言かと」 呑気な声で言ったのは、藁色の髪をした男子生徒だ。 男子生徒は緊迫した状況と思えないのんきな仕草で、ぽん、と手を叩く。 しれっと小馬鹿にされた気がするが、ウィリアムは気にすることなく彼らに言った。 「花嫁を我が城にご案内しろ」 「仰せのままに、我が主」 三人は胸に手を当てて返事をすると、ドロシーを取り囲んだ。 「おい、何しやがる!」 「……ごめんなさい。命令だから」 背後から声が聞こえたかと思った瞬間、首元に鋭い痛みが走る。 「いたっ……!」 短く声を漏らした瞬間、視界が白んでいった。 (くそ、なんだ、これ……) 意識を失くす瞬間、見えたのは気に食わない男の薄ら笑う表情だった。
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