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「それでは、私はこれで失礼します。今回は、彼らの成長を直接拝見出来て有意義な時間を過ごせました。感謝申し上げます」 座席に座ると、トト・ワイスは帽子をあげて挨拶をする。 そんな彼らを、校舎の上から見ていた影が二つ。 「――なるほど、君たちは私に怒っていたわけじゃないんだね」 こちらの視線に気づいたのか、二人の影はすぐに去って行った。 「……ワイス様、都に帰る前に街によりましょう。こんなに汚れた馬車で都に帰るのは恥ずかしいですから」 「ああ、そうだね。汚れた国章で都に入りでもしたら、オズ大王に顔向けできない」 エメラルドの馬車が走り出す。 その車体の国章には、真っ黒な腐った卵がこびり付いていた。
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