オズの花嫁

3-5

「もしかしたら、侍女たちが洗濯に出したのかも。――そうだ、そうに違いない！　ちょっと、聞いてくる！」

「え、おい、お嬢！」

いてもたってもいられず、ドロシーは駆けだした。

ロッジを駆け抜け、洗濯女たちのいる地下室へ向かう。

周りの目も気にせず、全力疾走するオズの花嫁に、使用人たちが慌てて頭を下げていく。

地下室の前まで来ると、一人の侍女がいた。

「なあ、私のドレスなんだけどさ。知らないか？　ほら、舞踏会で着るやつなんだけどさ。アンタの先輩侍女たちに何か聞いてないか？」

「何も！　……なっ、何も知りませんわ！」

ドロシーを見た瞬間、侍女の顔から血の気が引いていく。

頭が取れるのではないかというほど首を振る姿に、ドロシーは目を細める。