第四章・さあ、パーティーを始めようか

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舞踏会が行われるのは、エメラルドロッジの大広間だった。 ロッジと同じエメラルド色の大広間が、楽団たちの奏でる音で溢れかえる。 巨大な銀製のシャンデリアの明かりに照らされ、煌びやかなドレスが舞い踊る。 男子生徒に手を引かれ、女生徒は可憐にドレスをなびかせた。 それはまるで大広間に咲いた色鮮やかな花のようだった。 その様子を、ドロシーは一人壁際で眺めていた。 身にまとっているのは、ドレスではない。他の男子学生と同じ、ホワイトタイだった。 闇色の燕尾服を着たドロシーは、好奇の眼差しにさらされていた。 けれど、そんな視線は今のドロシーには気にする余裕がなかった。
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