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「……う、ウィリアム様?」
白のオズを見つめ、学生たちは唖然とする。
そんな彼らをよそに、堂々とした足取りでウィリアムは大広間へ入ってきた。
「やあ、やあ、ご機嫌いかがかな、諸君」
手をあげてひらひらと振り、ウィリアムは学生たちの間を歩いていく。
足を踏み出す度に純白の絹のレースが揺れた。
その下からのぞくのは、揃いの色のハイヒールだ。
腰はコルセットで絞められ、胸元には煌めく宝石が散りばめられている。
ウィリアムが着ていたのは、紛れもない女物のドレスだった。
「ウィリアム、お前は何て恰好してるんだ!」
ドロシーが声を裏返して叫ぶと、ウィリアムは振り向いた。
その拍子に、地毛と同じ金色のカツラが艶やかに光った。
くるくると巻き上げられた髪は、見るからに重そうだ。
「待たせたな、ドロシー。一人で寂しかっただろう?」
「答えになってねぇ! そして、寂しくねぇ!」
うっすら化粧をしているウィリアムを、ドロシーは指さした。
声を荒げるドロシーをよそに、ウィリアムは孔雀の羽で来た扇子を口元に当てて笑った。
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