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「おほほほ、嫌だわドロシーったら。ダンスの相手もいないなんて、舞踏会の恥さらしもいいところじゃない。強がらなくてもよくってよ」
「なんだよ、その話し方は! 気持ち悪いから近づくな!」
どんどん近づいてくるウィリアムからドロシーは後ずさる。
ウィリアムは柱の陰に隠れたドロシーを追いかける。
「こらこら、何処に行くんだい? 威嚇する子猫みたいに可愛らしく怒っても、怖くはないぞ。なぜなら、俺は君の可愛らしい姿を知っているからな」
「黙れ、変態!」
ドロシーはウィリアムと柱の周りを追いかけあうように、くるくると回る。
いつまでも二人が追いかけっこをしていると、痺れを切らした声が扉の方からした。
「ウィリアム様、いい加減にしてくださいよ。でないと、後から入る俺たちがものすごーく、気まずいんで……」
扉から現れたのはラノフ達、白黒のオズの従者だった。
彼ら三人も、ウィリアムと同じようにドレスを着ている。
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