第四章・さあ、パーティーを始めようか

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「ラノフ、グレイル……アンバーまで! アンタら、揃って何やってんだ」 「驚きましたか、お嬢。ドッキリ、大成功ですか?」 「なに、これはドッキリだったのか?」 「グレイル、面倒になるから黙っててね~」 ラノフはグレイルの口を押える。 もごもごと言いながら、不愉快そうなグレイルをよそに、ウィリアムはドロシーを見つめた。 自分よりも美しい顔で笑うウィリアムに、ドロシーは思わず胸が跳ねた。 「男二人が踊るみたいで変だ――そう言ったのは君だろう?」 「まさか、それで……」 ドロシーは呆気にとられる。 言い訳に並べた言葉を本気にするなんて、なんて馬鹿なのだろう。 そう思うのに、どうしてか目から熱いものが零れ落ちそうだった。 泣き出しそうなドロシーにウィリアムは近づき、手を差し伸べた。 「これで、君をダンスに誘える。……踊ってくれますか、俺の可愛いお姫様」
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