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「ドロシー、君には今日からオズの花嫁としてここで暮らしてもらう」 「だから、なんで私が花嫁にならなきゃいけないんだ。人攫いみたいな真似までしてこんな女を花嫁にするなんて、どうかしてる。何を企んでんだ」 「企むだなんて、失敬だな。冗談は君が女だということだけにしてくれよ」 あはは、と爽やかに笑うウィリアムにドロシーは額に青筋をたてる。 体が自由なら、今すぐ綺麗な顔を殴ってやりたい。 「冗談を言ってんのはアンタだろ。オズってのは女をからかって遊ぶほど暇なのかよ」 「ああ、ごめんよ。怒らないでくれ。悪気はないんだ」 いい加減、この男の仕草に怒りを通り越して呆れてきた。 ドロシーが殴る気力も無くなった時、ウィリアムがドロシーの前に跪く。 「俺には君が必要だ。オズ大王に願いを叶えてもらうためにね」 オズ大王。 その名を聞いた途端、ドロシーの目の色が変わる。
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