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「我々は選ばれし戦士であり、救世主だ。――天は我らに試練を与えた。そして、我々は同胞を救いだし、箱庭を完成させなければならない」
「救世主だとか、箱庭だとか、アンタら、ここで何をしてるんだ!」
「完全なる世界を創造することだ。ここには、選ばれし者たちが集められる。人類をも超越した、新人類として、新たな世界を作り上げるため神に選ばれた者達だ」
「新人類? 魔法が使えるからって、そんな大層な名前を付けるなんて、めでたい奴らだ」
「それだけで十分ではないか。ただの人間にはない、素晴らしい力を持って生まれた。だからこそ、下界の人間たちは事あるごとに我々を排除しようとしてきた。異質のものだと恐れを抱き、我々を悪だと決めつけた。――だが、腐敗したこの世界を再び創造し直すためには、我々が必要なのだ」
男は天を仰ぎ、手のひらを胸に当てた。
瞑目した男の姿は神に祈る信者そのものだ。
「お前たちの目的はなんだ」
「我々の目的は完全な世界を作り上げることだ。世界中に散らばる戦士を見つけだし、選別し、終末に備えているのだ。東の魔女は我らの考えを否定し、この国を追放された」
男は相変わらず幸せそうな顔をして答えた。
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