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魔力を持った者が世界各国から集められる国がある。
それが、魔法国――エメラルティだ。
エメラルティ国には、世界中から魔力を持った子供が集められる。
その後、子供たちは魔法学園へ入り、魔法の制御方法を学ぶ。
基本的には九年間の学園生活を経て、卒業した生徒には階位が与えられる。
位によって国での身分や生活区域が決まるのだ。
学園を支配する階級は何十階にも分かれている。
その頂点に君臨するのが、白黒のオズだ。
二人のオズは、学園にある二つのロッジの管理をしており、入学すると生徒たちは白か黒のロッジに分けられる。
寮である二つのロッジごとに学園は大きく二分していた。
ドロシーが暮らしているのは白のロッジだ。
滑らかな純白の壁に繊細な彫刻のほどこされたロッジは、まるで月世界の建物のようだった。
初めて白のロッジを見た時、ドロシーは鳥肌が立ったのを覚えている。
そのロッジよりも豪奢な建物が、二人のオズが住まうエメラルドロッジだった。
「――てめぇら、放しやがれ!」
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