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広間の長椅子に、ウィリアムはぼんやりと腰かけていた。
腰に下げた懐中時計を見やり、そろそろかとドアの方へ視線を向ける。
(いつもああだと、ただの少女と同じなんだけどな)
思い出すのは、広間を出て行く前のドロシーの事だ。
正直、あんなに喜んでくれるとは思っていなかった。
いつものように、ぶっきらぼうな態度でドレスを突き返されるのではないか。
そう思っていた。
「なんだかんだ言っても、女の子なのだな」
恥ずかしそうにほほを染めるドロシーを思いだし、笑みをこぼす。
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