146人が本棚に入れています
本棚に追加
/267ページ
3-3
ウィリアムが広間を出て行った後、ドロシーは侍女たちの手を借りて着替えていた。
大掛かりなドレスを脱ぎ、簡易的なドレスを着る。
支度が終わると、侍女たちは一礼して広間を出て行こうとした。
それを、ドロシーが呼び止める。
「ありがとうな。私一人じゃ、こんな大層なもの着れなかっただろうからさ」
「とんでもございません。白のオズのご命令ですから、ドロシー様はお気になさらずに。わたくしどもは、白黒のオズの召使いとして働いたまでですから」
侍女の一人がそう言った。
どうやら、彼女たちはオズの召使いという階位に、誇りを持っているようだ。
しかし、それ以上に気になったのは妙に棘のある言葉だ。
最初のコメントを投稿しよう!