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校舎裏、焼却炉に続く廊下をドロシーは必死に駆け抜けた。
廊下を抜けると、見えてきた黒い煙にカッと頭に血が昇る。
「何やってんだよ!」
ドロシーは怒鳴り声をあげる。
その先の焼却炉の前には、一人の女生徒がいた。
声に気づいた女がハッと振り返る。その顔は青ざめていた。
手に持っているのは、純白のドレスだ。
裾から上がる炎を見た瞬間、ドロシーは女を突き飛ばした。
「私のドレスに触るな!」
「きゃっ! 何するの!」
「それはこっちの台詞だ! アンタ、どうしてこんなことっ――」
燃え盛る炎をあげながら、ドレスが地面に落ちる。
ドロシーは魔法で風を起こすと、必死に炎を消した。
だが、ドレスは無残にも焼け焦げて見る影も無くなっていた。
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