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遠くで小鳥の囀る声がする。 心地よい軽やかな歌声が、夢の世界から呼び覚まそうとしているようだ。 緩やかに眠りから覚めようとしていたところに、眩しい光が部屋に差し込んだ。 「お嬢、大変です! 今すぐ起きてください!」 次に聞こえてきたのは、悲鳴にも似た声だった。 寝具をはぎ取られ、無理やり叩き起こされたドロシーは寝癖の付いた頭を掻く。 「……なんだよ、ラノフ。乙女の寝室に勝手に入るなんて、何考えてるんだ」 「こんな時だけ、乙女のふりなんてしないでくださいよ。――そんなことよりも、早く顔を洗って着替えてください!」 押し付けられたのは、学園の制服だった。 「いいから、早くしてくださいよ!」 ラノフは、ベッドの近くの机に水差しと水桶を置いて部屋から出ていった。
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