佳境に入ったパーティ

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秋哉は不思議そうな顔をして振り返る。 「ん、ダイジョーブだって」 どこから来るのか自信満々で、そしてカズエを安心させるように、もう一度ニカッと歯をみせて笑う。 でも――。 カズエは決心して、やおら立ち上がると、秋哉の襟元を引き寄せて口づけていた。 勢いのあまり歯がぶつかったが、そんなことは気にならない。 他に何も考えられなかった。 びっくりして秋哉の息が止まったが、でも、カズエはそうせずにはいられなかった。 0ea9ff1d-e3da-451c-b845-e69b04d39d3c 「……」 しばらくした後、つま先立った踵をゆっくりと下ろして離れれば、すぐ目の前に見開いた秋哉の大きな瞳。 普通より明るい色の琥珀色の瞳だ。 いつもは眉間に皺を寄せ、唸りをあげる狼の子どもみたいな険しい目つきばかりなのに、こうやってキョトンとしていると小さな仔犬とかわらない。 昔からちっとも変わらない愛おしい瞳、優しい顔。 カズエは、 「私もやる」 「……」 「アキひとりを危険な目には合わせらんないよ。私もやるから」 「お、おう……」 カズエの迫力に押されたのか、秋哉はぎこちなくうなずいた。 でもすぐにカズエに背中を向けて、見上げるカズエから視線をそらす。 それから顎だけを動かして、 「そこにモップがあるだろう。カズはそれ持ってオレの後ろにいろ」
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