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黙っていればスポーツ万能で他にいないくらいのイケメンなのに、凄みをきかせて睨みつけるクセと乱暴な口調のせいで絶対に損をしている。
ついでにデリカシーのなさと底抜けのニブさからか、女子からはなんとなく敬遠されている。
その気になれば、すぐにでも学校一の人気者になれるはずなのに、自分は人に嫌われる運命だと、どこか達観して諦めきっているところが、なお愛しい。
とにかく秋哉は、ものすごく残念イケメンだ。
だからカズエは、面と向かって秋哉にケチをつけてやる。
はっきりと口に出して言ってやった方が、秋哉には楽なはずだ。
多少キツイ物言いになっても、秋哉は、そんなカズエのことも誰よりもよく知っているから、
「チッ、毎度毎度ウルセーよな、カズは」
なんて言いながらも、カズエのために奔走してくれる。
カズエのために一生懸命に走り出してくれる。
そんな秋哉を見ているのが、カズエは大好きでたまらない。
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